※ネタバレあり

 終盤に入ってからはある種異例とも言えるのでは無いかと思うのです、一般人としての立ち位置にあるキャラクターがメインの回が描かれるって。
 一貫して、ゆいというキャラクターが今作で大切な立ち位置にあるのだと言うことを示してきたからこそできる無いようだったなと思いました。

 内容としては、ゆいが「みんなの笑顔」をテーマにした絵画コンクールに出展することになったのだが、何を描けば良いのか悩んでしまう。
 そんなとき、校長に連れられて、校長が時々小さな子供たちに絵を教えているという青空絵画教室に行ったのだった。

 というもの。彼女が主人公の一人として描かれていることがわかる、しっかりと培ってきた物が光る内容でした。
 青空絵画教室では、小さな少女が描いている花が、実際の物とは大きく異なることをゆいは発見します。その理由を訊いたときの少女のことは「その方が可愛いから」という単純な物でした。
 この小さな子供だからこそ単純で、しかしとても強い思いというのが、今作における終盤のテーマになっているように思いました。
 はるかは自分が小さい頃「だって可愛いから」という理由でプリンセスを目指すようになります。きっとゆいも、初めはものすごく単純な感情で絵本作家を目指したに違いありません。だから、少女の率直な言葉に目の覚める思いがした。
 ゆいははるかの理解者であると、自分は思っているわけですが、今回のエピソードはその補強のようにも思いましたね。

 ゼツボーグに必死で抵抗する場面は、鳥肌が立ちましたね。彼女の強さと、今までプリキュアの傍にいたことによる成長を見た気がしました。
 そして、具体化される夢。プリキュアの物語を描きたいというのは、ちょっとさすがにオタク向けじゃない? とか穿った考えになってしまいますが、夢の大切さを伝えるという部分は、すごく素敵だと思いました。今後、そのような具体性をもってゆいが夢へ進んでいくと思うと、胸が熱くなります。

 自分の経験になりますが、はじまりは単純って言うのは本当なんですよね。自分も昔は夢に対して、ものすごく単純な理由で目指したように思います。
 幼稚園の時は色んな種類の肉を売りたいという動機から肉屋に始まり、色んな種類の薬を扱いたいという理由から薬剤師を夢見、楽しそうだからと言う理由でプログラマー、小説家と進むわけです。大体そんな物なのですよね。

 そう言えば監督さんが増刊号のインタビューで仰られていましたが、難しいテーマは自分には難しい。だから、アニメという夢を制作している仕事をしている自分だからこそ、「夢」をテーマにしたとのこと。
 これは正解だったのだなーと今では思います。
 上記のように、夢に関しての実感が強く込められているように思います。

 次回はきららがとうとう自分の夢に大きく一歩前進するという内容。しかしプリキュアであることの重責がここでとうとう問題になるそうです。果たしてどうなるのか、といったところでしょうか。



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過去感想は下記より
アニメ感想:2015年夏期まとめ