※ネタバレあり

 「遊びに来る」じゃなくて、「遊びに行く」じゃないのかとか、そんなどうでもいいことを考えていました。
 後は、補習メンバーは魔法を使っていることがばれたときの扱いを聞かされてこなかったのかとか、そういう部分。
 「魔法を使っていることがばれないようにしないと!」っていうシーンを描きたいがために、補習メンバーの道徳観を全て犠牲にしているというか。とにもかくにも、内容の面白さは別としてキャラクターを大事にする気は無いのだなと言うことは伝わってきた印象。
 ともかく描きたい物優先で、その行動に至るまでのキャラクターの心情はこだわらないという作り方は、ある種割り切っているなとは思います。そういう意味では今回の話って、今作を象徴する内容だったと思います。自分はそういう作り方ってあまり馴染めないのですが、視聴する内に馴染めるかも知れません。
 
++あらすじ++
 補習メンバーがやってきた。フランソワが許可を得て、付き添って。
 リコはみんなが魔法の授業を進めていることに焦りを覚える。

 ナシマホウ界側の友達と街中でバッタリと会い、一緒にショッピングモールへ。
 その間、補習メンバーは平気で魔法を使うので、みらいとリコははらはらするばかりだった。

 リコが落ち込んでいるのを、フランソワは励ます。
 ナシマホウ界にいることは決して魔法を使うことの無駄にはならない、と。ナシマホウ界でしか学べないことを学べると。

 スパルダはリンクルスマホンをドクロクシーが欲していることを知り、本気でプリキュアに戦いを挑む。
 自らがヨクバールとなることで、強力な力を得て。しかし、プリキュアたちが大切な友達が居るからと、闇の力を払い除けたため、敗れてクモの姿になってしまうのだった。
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 そのような内容。話が前後していたらすみません。

 とりあえずあまり印象に残らなかったというのが率直な感想。全体的な印象としては、リコが補習メンバーの学習が進んでいることに焦るけれど、フランソワの発言で焦らなくても良いのだと安心するのは良かったです。あと、補習メンバーのやり取りも、楽しかったと思います。

 特にフランソワの経験談は良かったですね。大人が経験談を語る場面って、本当に魅力的に感じます。リコに対して、自分も同じ年齢の時にナシマホウ界に来ていた経験を話すと言うのは、安心させるのに的確だと思う訳です。何せ彼は、魔法界でしっかりと仕立て屋として働いている人物なのですから。

 ただ、魔法界の人々はナシマホウ界に紛れ込んでいる。この設定は今後活かされることになるのかどうか。多分活かされることはないと思います。
 ナシマホウ界がドクロクシーの手によって危機に瀕したとき、自分たちが過ごしたナシマホウ界を守るため、魔法を使用することがばれたら杖を没収されるという制約を破り、魔法を使用するのだった。なんて展開は、まず、ないでしょう。この場だけの設定だと思います。

 前述しましたが、補習メンバーの扱いは本当にこれで良かったのでしょうか。
 魔法を使ってはいけないというルールくらいは、知っておくべきだったのではないかと考えてしまう。校長や教頭が教えなかったというと、それはそれで魔法界の緩さが増します。フランソワも知っていたのに、何故教えなかったのか。いくら考えても解けない疑問だと思います。
 何せ罰則が杖の没収という、魔法使いにとっては致命的な物なのです。見られたら見られたでごまかす算段でもあったのかもしれません。
 とか、色々理屈をこねくり回すよりも、一番説明しやすい理由があるわけです。前述の通り、魔法を隠さないととみらいとリコが焦る場面を描きたかった。だから、補習メンバーは魔法を使った、それだけです。
 深く考えようとすればするほど、ここら辺話が深刻になります。補習メンバーが魔法を使っているのがばれたとき、罰則を受けるのは誰なのか。普通に考えれば、補習メンバーが罰則を受けることになる。するとみらいとリコは、友達を守るために魔法を使っていることがばれないように計らっていたことになる。
 でもそんな深刻な話として描くには、描かれ方がコミカルです。だから、あまり深刻に考えてはいけない部分だと、私は思います。
 変なことを考えているよりも、補習メンバーの一挙手一投足にあたふたしたり、一緒に楽しんだりしているみらいとリコを見るべきなのです。

 みらいがいつか色んなことを頑張っていたら、自分の夢が見つかるかも知れないと言っていたのは良かったと思います。
 みらいはまだ自分の目標を見つけていない人物。だから色んな事に興味を持って取り組んでいる。それを示したわけです。ですから今後、彼女にはその目標が見つかることになるのでしょう。

 スパルダは本当にあっさりと退場してしまいました。まだクモとしての原形は残っていて、バッティが回収していましたから、今後復活することもあるのかも知れません。そうでなくちゃ悲しすぎます。
 スパルダが真っ先に倒されるのは、何となく、前回はーちゃんの挨拶を無下にしたところから想像が付いたわけですが、こうもあっさりとは思っていませんでした。突然今まで布石もなかった新必殺技を出して、その反動で自滅。そんな印象。功を焦ったと言えなくもない、と言ったところでしょうか。
 一応、あの三幹部の中では一番スパルダが活躍していたように思います。まあ悪役として活躍するってことは、その分一番外道だったわけですけど。悪事としては、覚えている限りでは、リンクルストーン強奪、リズを襲う、ペガサスをヨクバール化、はーちゃんを襲う。ガメッツは、はーちゃんとモフルンを襲ったくらいなので、ポイントが足らなかったようです。
 つまり悪事を一番働いた奴が倒されたという、因果応報の話なのですね。
 実はバッティって、他の幹部も行っていた器物損壊以外は、変質者してただけという。そりゃあ、生き残りますわ。無害だもの。てか、プリキュアたちを追い詰めたキャラってスパルダくらいしかいないと思っていたので、彼女が居なくなったら今後どうなってしまうのか不安でなりません。新幹部が現れるのでしょうか。
 バッティはひとまず、スパルダが戦っている内にリンクルスマホンを奪い取っておけば良かったのではないかと思いました。野暮なことを書いているとは自分でも思いますが。あんまりにも屋上の地面に置き去りにされている感が強かったので。
 というかこれ見て思うのはむしろ、リンクルスマホンが置き去りにされているという事実よりも、今までの戦いではどこに置いてあったんだろうってことだったりします。そういえば今までは戦闘中、その描写がなかったなと。もしも自由に出し入れできるなら、隠しておいた方が良かったのではないか、と思いました。まあはーちゃんが力を発揮してスパルダ撃退という展開を描かないといけないので、こういう描き方になったのだと思いますけども。

 9話で別れをあんな風に描いて、今回あっさりと来られる描写を入れたのは、何となくですが予想できていました。フランソワが以前ナシマホウ界で修行をしていたと言うことは、既存の情報だったわけですから。許可さえ取れば来ることができると言うことはわかっていたからです。リズがキャンプにさらっと登場したのも、拍車をかけているでしょう。
 9話に関しては恐らく外国とか、そういう遠い所に友達が行ってしまうことの悲しさとか、そういうことなのでしょう。自分の小学生の頃を思い出すと、転校してしまう子の送別会をするとき、女の子は号泣していましたね。その号泣している子に、会いに行こうと思えば電車で会いに行けるじゃないかというのは、残酷なことのように思います。ていうか当時は、そんな風に「会いに行く」という発想はなかったように思います。転校してしまうと言うことは、もう二度と会えない別れである、くらいに思っていました。小学生以下の幼い頭なんて、それくらい極端です。
 9話のリコとみらいのあの別れに対する忌避は、その、「普段の日常からいなくなってしまうことへの恐怖」と言って良いのでしょう。
 でもやっぱり、ジュンの扱いが可哀想になりますね。補習にまでなってしまった原因が、一応はこうもあっさりと来られるって。どのような手段で失敗してきたのかわからないので、どうにもわからないですが。無断でナシマホウ界に来ることは確か、校則違反で退学の可能性があるという話でしたね。当時のジュンのそこら辺の事情は、語られることはないのでしょうが気になります。
 フランソワはリコと同じ年頃にナシマホウ界に来ている。でもジュンは来ることができなかった。フランソワみたいな大人が引率していないといけなくて、フランソワは引率がいたから、修行に行くことができたと言うことなのか。恐らく今後語られることのない部分への妄想が捗ります。
 というかジュンはこれほどナシマホウ界に行くことを望んでいたのに、今まで誰も引率をしてくれなかったと言うことなのか。ジュンの家庭環境に暗い影が差しそう。

 ……うーん、やっぱり気になったので書きます。みんなでプリクラを撮ったとき、みらいとリコの相合い傘が書かれていたのを見つけました。これ、どういう意味なのでしょう。二人はとても仲良しって意味なのでしょうか。
 調べてみましたが、恋愛成就のおまじないの意味しか見つけられませんでした。相合い傘の右側に書いたのが男を意味するとか、思いを届けたい相手を意味するとか、それくらいの意味くらいしか。
 二人が友達の枠を越えた、そういう関係であるなら別にそれでもいいというか、9話であれほど離れるのを嫌がった裏付けになってしまうなとか考えたりしました。
++参考++
http://motejo.jp/fortune/kataomoi-omajinai.html
http://blog.livedoor.jp/sweetake/archives/50237349.html
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 次回はみらいの祖母が昔に出会った憧れの人の正体を、水晶玉で探すという話。その正体は魔法界の人間であろうことは想像できるわけで、何だか楽しい話になりそうです。



魔法つかいプリキュア! Blu-ray vol.1

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過去感想は下記より
アニメ感想:2016年春期まとめ