※ネタバレあり。
  筆者の方針は元々、「こう考えれば、楽しめるんじゃない?」という脳内補完をするのが原則です。今作でもそれをできる限り徹底していくつもりでいます。
  できない作品ももちろんありますが、極力。
  あと、オープニングの件も少しだけ。だから前作のことも少しだけ。


 面白かったですね。完璧であるが故の微妙な乙女心の揺れを、見事に描いていたと思います。
 手のかからない子供であり続けた少女の退屈を払ったのが、失敗ばかりする女の子に魅せられる展開。この絶妙な感覚を、いちかの態度とそれを受け止めるゆかりという描写だけで描いていたのは素晴らしかったと思います。

++あらすじ++
 いちかたちは、訪れた店が繁盛すると言われる三つ星にゃんこを見つける。いちかは触ろうとするが、触ることができない。その中、現れたのは紫色の髪をした女性、三つ星にゃんこはあっさりとその女性にすり寄る。
 いちかはその女性の美しさに見惚れる。猫が好きなのかと訊ねると、どちらでもないと彼女は答える。

 翌日ひまりは彼女の正体を突き止める。彼女は高校で有名になっている、完璧な女性なのだという。容姿だけでなく勉強までこなす彼女には、ファンクラブまであるのだとか。
 ゆかりはクラスメートにマカロンの店へ誘われるも、やんわりと断ってしまう。そのマカロンの店では、マカロンのキラキラルを狙うマキャロンヌの姿。

 一方、三つ星にゃんこに触ろうとするいちか。どう頑張っても触ることができないので、一息に「ホイップステップジャンプ」と飛びかかる。
 すると一人で帰路につこうとしているゆかりが通りすがる。
 いちかはゆかりに出会えたことを喜ぶが、ゆかりは覚えていない、ように振る舞ったと思われる。
 三つ星にゃんこと仲良くなることを諦めないいちかを、ゆかりは疑問に思う。理由を訊ねると、いちかは「チャレンジ精神」と答える。
 ゆかりは興味を持ち、退屈凌ぎにいちかを町へと連れ出す。ゆかりは衣服を着ればどの服も似合うため、いちかは賞賛する。それにゆかりは残念そうな表情をする。
 UFOキャッチャーでも、彼女は初めてやったのに大量にぬいぐるみを手に入れてしまう。何でもできてすごいといういちかに、ゆかりの表情は無表情ながら冷ややかである。

 マカロンの店があり、ゆかりは興味を示す。いちかは入ってみようと提案するが、売り切れてしまう。
 「楽しかったわ」と言って別れようとするゆかりを、いちかは引き留める。本当に楽しかったのかどうかを、いちかは疑問に思う。そして、マカロンを作ろうと提案する。

 ゆかりを連れてきたことに驚愕するひまりとあおい。ゆかりが興味を持ったので、プロでも苦戦するスイーツではあるが、マカロン作りを開始する。
 案の定、メレンゲ作りから苦戦するいちかたち。しかしゆかりはそれもあっさりと成功させる。
 ゆかりは掻き混ぜる中で、昔のことを思い出す。幼少の頃、抹茶を点てているのも「筋が良い」と言われた。祖母に、手のかからない子だと言われた。そんな、昔から何でもできた子だったのである。
 メレンゲができたので色づけをして、焼いてみる。しかし、そのマカロンの生地は舌触りがざらざらとしていて、美味しいものではなかった。ゆかりはムキになり、メレンゲを再び立て始める。

 その中、マキャロンヌはマカロンを盗み出し、キラキラルを取り込む。そして、次なるマカロンを狙う。
 一方、マカロン作りは再び失敗していた。今度はヒビが入ってしまったのだ。また作ろうとするゆかりに、いちかは材料がないと引き留める。
 ゆかりはムキになっていた自分に気付き、頬を赤らめる。
 いちかは「楽しいですね!」とゆかりに言い、「マカロンに一所懸命なゆかりさんのことを、もっと好きになった」と言う。そして、閃いて、失敗したマカロンにデコレーションをして、「ねこマカロン」を作り上げる。
 ゆるーい笑顔を浮かべたいちかを、ゆかりは「やっぱり面白い子ね」と笑う。

 そこに、マキャロンヌが現れて、失敗作のマカロンのキラキラルを吸い込む。その後、ねこマカロンをも狙おうとする。
 いちかたちはそれを守るために変身する。敵の拘束に成功したかに思えたが、敵はあっさりとその拘束を解いてしまう。そして、ホイップに一撃を加える。しかしホイップは立ち上がり、ゆかりのことを笑顔にしたマカロンなのだからと、守ろうとする。
 その中、ゆかりはマキャロンヌの前に立ちはだかる。
 そして、いちかに対し「あなたといると、調子が狂って嫌になっちゃう。でもあなた、好きよ」と言う。するとねこマカロンが光り出し、スイーツパクトが生まれる。ゆかりは、面白い、と変身する。

 ねこマカロンから変身したとおり、敵を猫のように翻弄するキュアマカロン。相手の攻撃をひらりとかわし、あごをさすり、敵のペースを乱しに乱す。
 シャボン玉を破裂させて隙を作ると、マカロン型のクリームを射出してマキャロンヌを撃退する。

 帰り道、ゆかりはいちかに楽しそうなことに混ぜてもらえないのはずるいと言う。いちかはそれを一緒にスイーツ作りをしてくれるものだと思う。それをゆかりは「どうかしら」とからかう。
 ペコリンはゆかりの言葉を真に受けて、「バイバイはイヤだ」と言う。
 その後、三つ星にゃんこが再び現れて、いちかは仲良くなれそうだと飛びかかる。しかしやはり上手くいかない。その中、現れたのは赤髪の人物。いちかを生け垣から引っ張り出すと、今度引っ越してきた「剣城あきら」だと名乗る。
 いちかはそのかっこいい風貌に、頬を赤らめるのだった。
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 あらすじはこんな感じ。すっごいキャラクターがでてきたなと思いました。ストーリー自体は明確でわかりやすい、楽しいのだけど、あらすじ自体は書きづらくてしょうがない。それはもう、ゆかりのキャラクターのためと言わざるを得ません。
 と言うかこのキャラクター、扱うのメチャクチャ苦労しそうですね。ただ、よくぞこれを生みだした、と言う感じ。

 ゆかりのキャラクター、強烈ですねー。思うに彼女は、相手の反応を見るために妙なことを言っている節があります。
 いちかと再会した際、彼女はいちかのことを覚えていないと言います。ですがこれ、恐らく覚えているのですよ。なのにあえて、そんなことを言ってみているのだろうなと。
 何せいちか、明らかに他の人と違うのです。ゆかりを誘おうとする相手は、彼女に憧れを持っています。しかしいちかは、単純に再会を喜んでいる。
 そりゃあ、覚えていないと言ったらどんな反応をするか見てみたくもなります。
 話の最後でも、一緒にスイーツ作りをする事を濁していました。これもう、好きな相手を困らせたいから、からかってしまう女子ですよ。相手を困らせたらどんな表情をするか、見たくてしょうがないのです。

 ただ愛とかではなく、ゆかりにとっていちかは犬のように見えているのかなとも思いました。まあいちかはウサギなのですが、それは置いておいて。
 何せゆかりは、「何となくわかるの、ポイントが」と、いちかのあごの下をくすぐるわけです。で、いちかもそれに表情を緩めてしまう。これ、いちかは犬かはともかくとして、少なくともペットのような扱いをされている部分があるって事なのですよね。
 ……いいのか、主人公。

 何でもできてしまう、それ故に退屈である。しかしできて当たり前だからこそ、できなければ人一倍ムキになる。
 ここら辺の案配って、描くの難しいと思うのですよ。けれどそれを、魅力的に仕上げたのはただただすごいと思います。

 ゆかりがこのような性格になったきっかけも、本当にさらっと上手く入れてきたなと思います。大人たちにまで手の掛からない子として扱われてしまったら、それが今の今までずっと続いていたなら、彼女はどこに変化を求めればよいのか。といったところでしょうか。
 そりゃあもう、いちかしかいなくなります。

 思うにいちかは、直感で生きる人物として描かれていくことになるのでしょう。その感情の向かうまま、みんなを引っ張っていくという。
 ただそれだと、前回、前々回のような危うさが気になります。貫き通すならそれで良し、と思うような描かれ方になっていくのかどうかと言ったところでしょうか。

 あとはあれですね、やっぱり筆者は過去のないキャラクターが苦手なのだなと思います。
 あと、完璧なら完璧なりに、完璧であることに何かしらの思いを抱えるものだろうなとも、思うみたいです。今回の内容は殊更、それを感じさせられました。

 あおいの服装、普通に可愛らしいですね。横幅の広いミニスカートとでも言うのでしょうか。ボーイッシュな女の子がこういうの着ているのって、単純に可愛らしく思います。
 それと、長老が地味に面白いですね。キュアマカロンが活躍している中、ゆっくり透けていくのは卑怯です。

 次回はキュアショコラの仲間入りだそうです。いちかが、あきらが女性だと知りがっかりする未来が既に見えるわけですが、どう描かれるのかと言ったところ。

 で、オープニングで映画の宣伝がされていました。前作のキャラとのやりとりが描かれていましたね。
 モフルンともみくちゃになっているプリアラ勢を見て、何やら険しい表情をしています。これ、わかりづらいですけど、ヨクバールが町を襲っているからという理由があるのでしょう。
 みらいなら疑いかねないなと思っちゃいましたけど、さすがに毒されすぎていると思い直しました。……それでいいのですよね?
 それよりも、このヨクバールはどの時期のヨクバールなのだろうと言う方が気になってしまうわけで。時系列、少なくとも前作に関してはぐちゃぐちゃになってないですかね、これ、という。



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過去感想は下記より
アニメ感想:2017年冬期アニメ