※ネタバレあり。
  筆者の方針は元々、「こう考えれば、楽しめるんじゃない?」という脳内補完をするのが原則です。今作でもそれをできる限り徹底していくつもりでいます。
  できない作品ももちろんありますが、極力。


 正直なところ、意外だなと思いました。
 もう少しいちかの復帰には時間がかかるのかなと、感じていました。
 ここら辺、難しい部分だよなと。主人公を落ち込ませる期間はどのくらいにするかというのって、なかなか難しい。それよりも、リオの境遇の方が個人的には気になるなと。

++あらすじ++
 いちかは母親が帰ってくると言うことで、張り切っている。
 母親が外国から、作ったスイーツを送ってくれると言うことで、そのお返しをするために買い物をしていた。

 一方、ゆかりはプリキュアのメンバー全員を集めようとしていた。ジュリオの正体をみんなへ伝えようとしていたのだ。しかしそのことを、リオも予測している。そして、いちかへと接近するのだった。

 ひまりはゆかりに、いちかは母親の件があるから遅れると伝える。
 ゆかりはみんなで揃ったときの方がと躊躇うが、話し始める。

 いちかはリオの家に、荷物を運ぶという名目で潜入する。
 母から送られてきたマドレーヌを、いちかはリオにも手渡す。リオはいちかに問いつめる。いちかの母親は、自分の好きなことをやっていて勝手だと、寂しくないのかと。
 いたかは寂しいことは肯定するが、母親のことを、お母さんにしかできないことをやっていて立派だと思う。と言う。
 そして、マドレーヌを食べて言う。こんなに美味しいのは、お母さんが私のことを思ってくれているからだと。
 リオはそれを聞き、苛立ち、スイーツなんて大嫌いだと声を張る。そしていちかから渡されたマドレーヌのキラキラルを吸ってしまう。

 プリキュアたちはいちかの家に駆けつける。
 現れたいちかからは、キラキラルが抜き取られている。
 正体を現すジュリオ。いちかのキラキラルからはプリキュアと同じ武器キャンディロッドが生み出される。
 プリキュアと同じ技を操るため、ホイップのいないプリキュアたちは追いつめられてしまう。

 いちかはスイーツにより得られた感情を失っていた。どうでもいい、などという言葉まで飛び出す。そんな彼女にペコリンはクッキーを作るように言う。
 そしてクッキー作りをする中で、いちかはキラキラルを取り戻すのだった。

 プリキュアのも元に駆けつけるホイップ。そしてジュリオを圧倒する。ジュリオを巻き込んだ形で、必殺技を放つことに成功する。
 ホイップは彼に、どうしてキラキラルを奪うようなことをしたのか訊ねようとする。しかし彼は、それを振り払い退散してしまう。

 そんな中、ジュリオの敗北をかぎつけ、新たな敵が現れようとしていた。
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 あらすじはこんな感じ。ちょっと急いで書きましたので、細部どころでない部分間違っていたら申し訳ないです。

 王道の展開といったところでしょうか。
 スイーツなんてどうでもいいといちかに発言させてからの、ペコリンの否定。そこに、1話でスポンジケーキをどうでも良くないとガミーへ渡すのを拒んだ。いちかの姿を回想させる。
 心にうずく物を感じたと気付いたら、スイーツを作るように提案。いちかがスイーツを作る手付きは慣れていて、今までずっとスイーツ作りを頑張ってきたことを暗示させる。
 その中で、彼女が何故そこまでスイーツを好きになったのかの、回想がされる。それは彼女の母が、幼い頃からずっとスイーツを作ってくれてきたからだった。
 そして、スイーツを作ることでキラキラルが新たに生み出されたいちかは、復活を遂げる。と、そう言った展開だったのかなと。
 ここら辺は正に、ジュリオの実験通りになっているのが皮肉ですね。
 スイーツに含まれるキラキラルが、いちかの記憶から揺り動かされた「感情」と、手慣れるほど続けてきたスイーツ作りの「知識」、その二つで増幅されて、見事に復活の糧となっているわけですから。ジュリオの実験は、変な話いちか復活の伏線だといっても良いのだろうと思います。

 長老の言うとおり、いちかの喜びといった感情や母親の愛情は、スイーツを根元として、つまりはキラキラルを元にして培われてきたことが示されたわけです。
 ここら辺、キラキラルの扱いに相当気を使っているのがわかります。じゃあスイーツを食べられない人はどうするのか、という問いへの解答とも言えるのかなと。
 いちかにとっては喜びの根元はスイーツだった。そのスイーツにはキラキラルという成分が含まれていた。だからいちかにとってキラキラルの欠乏は深刻なのだ、という落とし所というか。スイーツ以外でいちかと同じような感情を得てきた人々を否定しないための、極限の配慮と言えるのかなと。

 リオ、相変わらず高いところが好きですね。確実にこれ、スタッフの方々の間でも話の種になっていることでしょう。如何に高い所へ上らせるか、レベルになっている気がします。
 で、そのリオがゆかりに息巻くのがいいですね。前回出し抜かれたことへの仕返しだとはっきり示していると、今作が連続した流れの中にある作品なのだと安心できます。
 いちかの家族が話題にあがったとき、リオが表情を険しくしたことが気になりますね。登場当初からずっと、伏線として描かれてきていたことなので。何か、リオもいちかと同様になかなか会うことのできない存在がいるのでしょう。そしてそれを、リオは勝手な行動だと感じてしまった。つまり、そういうきっかけがあったということです。
 いちかが聞き出そうとして、拒まれてしまいましたけれど、今後しっかり描かれていくのだろうと思います。

 また、ここら辺、敵の事情を知ろうとすると言うことで、マンネリ化しないようにしているのも面白いなと思います。それに、キャラクターが成長したことで、敵の事情も気にするようになるのは、ごく自然なことですから。

 ただ、気になったことが一点。話の組み立てはしっかりと納得できる物で、そこに文句は無いのですけど、何故か物足りなさが会ったなと言うのが正直なところ。
 これが恐らく、前述したとおりの「もっと復帰に時間がかかると思っていた」という部分に関わってくるのだと思います。
 いちかは今回も含めると、二度、親の愛に気付いて覚醒をしているわけです。同じ描き方を二回したから、と言うのもあるのでしょうが、それ以上に、その部分の映像が初出の物が多かったからなのではないかなと。
 実はこういうことがあったという描き方をして不自然さが少ないのって、多分親に世話をしてもらった思い出なのかなとは思うのです。ただ、それでも、やっぱり本編の話の中で描いた物だけで構成されていた方が、感動するよなと言うことなのだと思います。

 次回はジュリオ敗北を知り、新たな敵が現れる模様。流言飛語でキラパティにお客さんが来ないようにしてしまうようです。このキャラクターもまた、高い所が好きそうですね。はてさて。




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過去感想は下記より
アニメ感想:2017年春期まとめ