※ネタバレあり。
  筆者の方針は元々、「こう考えれば、楽しめるんじゃない?」という脳内補完をするのが原則です。今作でもそれをできる限り徹底していくつもりでいます。
  できない作品ももちろんありますが、極力。


 何というか前話で書いた予想がけっこう当たっていたので、前話の感想を7月16日になる前に書きたかったなと、そんな無粋なことを考えました。別に予想が当たっていたからとて、どうと言うことでもないのですけども。
 それは置いておいて、変身ですよ、変身。色々な物を背負った、ものすごく重い物を見た気がする。

++あらすじ++
 ピカリオに反省した様子はない。依然世界を闇で染めてやると言っている。
 ノワールに誑かされたとしても、それもまた自分の本心だったのだと。
 シエルはスイーツを作ること、プリキュアを目指す資格が自分には無いという。ピカリオのことをわかってやれていなかったのだからと。
 シエルは店の準備があるからキラパティを後にする。

 後日、シエルの店は休みだった。やる気がないという。
 ピカリオはシエルに俺の気持ちがわかったかという。どうしてそんなことを言うのかという問いに、ピカリオはスイーツを作り始める。
 それは反省しても手遅れだからだったのだ。
 ピカリオがスイーツを作ると、そのスイーツはすぐにキラキラルを失ってしまうのだ。それが、ノワールにキラキラルを捧げた者の定めだった。いちかはジュリオがスイーツを作ろうとしなかったことに納得する。
 シエルが責任を感じている中、ノワールが彼女の前に姿を現した。そして彼女を闇の中に連れ去ってしまう。それを助けようとした、いちか、ピカリオもろとも。
 闇の中、ピカリオはロッドを手にしジュリオへと姿を変える。姿を現したシエルは、もうプリキュアを目指すことも、スイーツを作ることもしないという。
 ジュリオは激昂する。お前を超えるために闇にまで手を染めたのに、と。そんなお前を超えても意味が無いと。
 シエルはどうすれば良いのかと叫ぶ。地面が崩壊する。

 その後、暗闇の中には調理道具が現れる。
 いちかはジュリオへ、スイーツを作る提案をする。
 無駄だと言うジュリオに、そんなことはない、きっと伝わると言い添えて。
 シエルがそれを言葉で制止する。しかしいちかは、それでも完成させるよう促す。
 ワッフルを作るジュリオ、しかしやはりワッフルはキラキラルを失い、色褪せている。
 それでも、シエルへとワッフルを差し出す。「スイーツが本当に作れなくなるんだぞ」と言い添えて。ワッフルを食べさせるシエル。彼女の口からでた言葉は「美味しい」だった。
 ジュリオは納得する、そんな簡単なことだったのかと。「相手を思ってスイーツを作ること」、それが大切なことだったのだ。
 シエルは言う。やっぱり私はみんなのためにスイーツを作りたいと。ジュリオも、拗ねたように「勝手にしろ」と言う。

 シエルの力が高まる。「私は私を否定しない、夢と希望を捨てないし、自分の可能性を諦めない」
 シエルはキラキラルでスイーツを作る。

 その中、嫉妬で新たな力を経て、人形と一体化していたビブリーが邪魔をしようとする。他のプリキュアがそれを止める。
 シエルは、ジュリオの作ったワッフルを使い、変身アイテムを作っていく。それを邪魔するために矢を放つノワール。身を挺して守るジュリオ。
 シエルが戸惑う中、スイーツを完成させるように言う。
 そして、ペガサスをかたどった、キュアパルフェへと変身する。ジュリオの元へ駆けつけると、その手に持つロッドを武器に変える。
 ビブリーを圧倒し、必殺技で撃破する。
 ビブリーは吹き飛ばされてしまう。

 ピカリオは消えていきそうになっている。自分の心が弱かったのだと言う。そして、シエルに謝る。そして消滅し、いちご山へとそのキラキラルは飛んでいった。
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 あらすじはこんな感じ。細部間違っていたら申し訳ない。

 ピカリオのスイーツの件は、なるほどと納得しました。
 ゆかりの祖母が言っていた伏線の回収になるわけですね。ジュリオの作ったものはキラキラルを失う、それは抹茶であろうと例外ではないのです。

 キラキラルはスイーツに込められた気持ちが結晶化したもの、それはキラキラした気持ちだけではない。という言は、初めて出てきた定義ですね。
 なので、キラキラルの実験をしていた彼だからこそ言える言葉、と言うわけではありません。悪い感情を引き出されたことがあるという、経験談からの言葉と言えるでしょう。
 興味深いのは、良い感情のキラキラルをノワールが集めている点でしょうか。
 ビブリーの嫉妬という感情を賞賛し、それを元にして新たな力を与える。そんな彼が集めているのが、良い感情のキラキラル。その目的は一体何なのか。ピカリオの言うとおり、世界を闇に染めると言うことなのでしょう。それを、良い感情から生まれたキラキラルを闇に変えることで行おうとしている、といった所でしょうか。

 ここら辺の「世界を闇に染めてやる」という事に対してのいちかの態度は面白いですね。スケールが大きすぎて、という。まずいことになるのはわかっている、だからきっとキラキラルを奪おうとする敵から人を守りはする。でも、スケールの大きさに首を傾げてしまう。面白い立ち位置だと思います。

 ただ今回、話の内容は急ぎ足だったなと思います。
 さすがにピカリオが敵の目的を明かす。ピカリオのことでシエルが責任を感じて、ノワールに闇に染められそうになる。しかし、ピカリオのスイーツで復活する、その結果、ピカリオも改心する。復活したことで、プリキュアへ変身を遂げる。その中で、ピカリオはシエルを守るために消滅してしまう。
 これらを一話に詰め込むのは難しかったなと。仕方ないことだとは思うのですが。

 今回の変身で面白いと感じたのは、ピカリオの助けがなければ変身ができなかったという点ですね。
 ピカリオの作ったワッフルを用いて変身し、ピカリオのキラキラルから生み出されたロッドを武器に変え、キュアパルフェは戦うのです。 
 これって、極端な書き方をするなら、ピカリオもまたプリキュアになる資格があると言うことなのですよね。性別の壁など関係なく。

 で、メタ的な話なのですが、だからピカリオは消滅しなければならなかったのかなとも感じてしまいました。プリキュアが相手のことを想いながらスイーツを作り、キラキラルを増幅させる事のできる存在であると定義するなら、改心したピカリオにその資格が備わっていないはずがないからです。
 ただ、さすがに男性をプリキュアにするわけにはいかないから、シエルを守る形で消滅することになったのかなとか、邪推をしてしまいます。しょうがないよねと思いながら。
 むしろキラリンの方は、気付いたばかりのため、まだプリキュアに変身するだけの資格は備わっていないように感じられます。だからきっと、詰め込み過ぎな感覚を受けてしまうのかなと。
 ただ、まあ、それを言ったらゆかりはどうなのかといった話になるので、ここは他の人の助けを元に変身することも普通にあり得ることと考えて良いのだと思います。
 それと、シエルの変身には、冒頭で書いたとおり、重い使命が加わったなと。今後その苦悩は描かれるのかといったところでしょうか。

 で、今回はエンディングも変わりました。シエルが加わった形ですね。今作の3DCGは本編と違和感の無い出来で、自然な姿でダンスをするのがただただすごいと思う訳です。

 次回はキラリンが中学に通う模様。どうなってしまうのか、ドタバタ劇が期待されます。楽しみですね。



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過去感想は下記より
アニメ感想:2017年春期まとめ