※ネタバレあり。
  筆者の方針は元々、「こう考えれば、楽しめるんじゃない?」という脳内補完をするのが原則です。今作でもそれをできる限り徹底していくつもりでいます。
  できない作品ももちろんありますが、極力。


 ゆかりがメインになると、途端に話が大人向けになると言う。とりあえずゆかりという難しい人物に対して、真っ向から描いているなと思います。

++あらすじ++
 ゆかりにコンフェイト公国のナタ王子が求婚する。それを止めに入ったあきらが、結婚をかけて対決することに。
 しかしナタ王子はどの勝負もルールを守らなかったりと、的外れな行動をするので決着が付かない。
 あおいの提案したダンス対決では、ゆかりとあきらは良い雰囲気となる。ナタ王子がリフトアップを行おうとして失敗し、勝負はつかず。
 勝負の行方は翌日に、どれくらい素敵なスイーツを作ることができるかになる。

 あきらはゆかりの態度を諫める。「人の気持ちで遊ぶのは良くない」と。ゆかりはハッとした様子の後、ナタ王子の所へ嫁ぐと言い出す。ゆかりはあきらに、「まっすぐな瞳で見ないで」と言って、去ってしまう。
 翌日、キラパティでスイーツを作ることに。あきらは店の前でシエルと会話する。
 シエルは昨日のゆかりはわがままだから、伝えるべきだという。しかしあきらは、ゆかりの繊細さを気にして言葉にできずにいた。強い言葉を言うと、壊れてしまいそうだからと。
 シエルは伝えなければいけない言葉はあるという。ピカリオの事を想起しながら、気持ちが通じ合っていると思っても、そうではないことがある。大好きという気持ちを、シンプルに伝えるべきだという。

 対決用のスイーツはゆかりと一緒に作りたい。あきらがそう言ったのだと、シエルは言う。そして、二人で作ることになる。その中、いちかの提案でチョコのマカロンを作ることに。
 ショコラマカロンは、焼き色を気にしなくて良い分、難易度が下がる。シエルのその言葉に、完璧を重んじるゆかりは拒もうとするが宥められる。
 そしてショコラマカロンが完成。ナタ王子に渡しに行くことに。

 道中、ゆかりはいちかに、それだけでなく中学生組には驚かされるとあきらに打ち明ける。
 会場にナタ王子はまだ来ていない。ゆかりはあきらへ感情を打ち明ける。自分は完璧などではないと。ジュリオの言っていたことは当たっていたと。だから私は自分が傷つく前に、ジュリオを傷つけたのだと。
 寂しいくせに強がるな。何でもできるから、何が好きかと問われると困ってしまう。そんな、ジュリオの言葉。

 自分はずるい女なのだ。なのに、いちかとあきらは。そういって口を噤むゆかり。あきらはゆかりの両肩に手を置き、全部打ち明けて欲しい、ゆかりの気持ちを全部受け止めるという。
 一方ナタ王子は、エリシオによりスイーツをから、キラキラルを奪われていた。
 そこに、ゆかりとあきらが駆け付ける。エリシオは自らを空っぽの道化師と名乗る。ゆかりは彼の初手の攻撃により、スイーツパクトを落としてしまっていた。取ろうとするも、エリシオに妨害される。
 あきらだけがプリキュアへと変身する。

 しかし状況は劣勢。黒い槍のようなもので攻撃され、拘束されてしまう。拘束されながらも、ショコラはゆかりを守ると、瞳の輝きは消えていない。
 何故他人のために身を削るのか、エリシオの問いに、ショコラは答える。「大好きだから、それ以外に理由なんてない」と。
 駆けつけるゆかりに、ショコラは言う。泣かせてごめんと。泣いていないと答えるゆかりに、ショコラは瞼の下を指でなぞる。するとゆかりの目から、涙が溢れる。

 エリシオは止めを刺すために、怪物を生み出す。
 その中、いちかたちが駆けつけて、ゆかりが変身アイテムを取ることができなくなっていた柵を壊す。
 シエルがゆかりにアイテムを届ける。そして、変身する。ショコラとマカロンの力を合わせた必殺技で、敵を怯ませる。その後、パルフェの必殺技で浄化。
 エリシオは自己紹介をして退散する。

 ゆかりはナタ王子の求婚を断る。まだ恋をしたことがないから、自分の心が良くわからない。
 けれど、みんなで作ったチョコマカロンに、自分のときめきがあるのだと。そのときめきを大切にすれば、いつか、と。
 ナタ王子はあきらに、ゆかりを幸せにするよう、言う。男の約束だと。結局彼もまた、あきらを男性と勘違いしていたのだった。しかし、ゆかりはその間違いを訂正してくれない。そのまま、ナタ王子は去って行ってしまったのだった。
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 あらすじはこんな感じ。難産。ゆかりがメインの回は恐らく、毎度苦労します。

 いやほんとう、ゆかりはいいキャラしています。
 あきらが、ゆかりを連れ出そうとするナタ王子を止めようとしたときの表情の変化とか、素晴らしい。
 最初、すごく嬉しそうな顔をするのですよ。けれどあきらが「学校やキラパティのことがある」と言い出した途端に、顔をしかめるのです。
 ゆかりは飄々とした態度で描かれてはいるけれど、その実、他人の言動に異様なほど敏感です。だからジュリオの正体もあっさり見破るし、いちかがあきらの性別を勘違いしていることに気付きつつ傍観できる。

 ゆかり本人が本編でも言っていますが、彼女の性格は正に、ジュリオに言い当てられたとおりなのでしょう。
 好きがわからないから、相手を試すようなこともしてしまう。だから今回も、相手の好意を試すようなことをしているのです。ナタ王子とあきらが、どれほど必死にゆかりに対して徹するかを。

 今回、ゆかりの感情吐露が唐突な感じを少し受けました。ここまで、いちかやあきらのような、まっすぐとした人物からの視線を辛くなるほど、追い詰められていたのか。と言った具合でしょうか。
 これ、つまりジュリオに16話で指摘されたことは、本当に図星だったのだと言うことなのですね。
 ピカリオはノワールに誑かされた結果、ジュリオとなった。そのジュリオに、ゆかりは16話で内面を言い当てられている。つまり、ゆかりとジュリオは敵同士でありながら、理解し合える部分があるのです。
 ゆかりはぶっちゃけた話、他のプリキュアメンバーと比べたら、悪い奴らの方に近い感情を持っている。企みを察することができるのは、そういうことです。だから、ジュリオの事情が、身につまされたのではないかなと。ジュリオが真なる悪ではなかったと言う点が、彼女にとっては大きな衝撃だったといったところでしょうか。
 そして、いちかとあきらへの「まっすぐ見ないで欲しい」という思いへと繋がるのでしょう。
 ゆかりは主人公的な価値観ではありません。ですが、優秀だから、実力的にはプリキュアとして活動できる。そんな人物にとって、いちかとあきら、延いてはひまりやあおいについても、眩しさを覚えてしまうのかも知れません。

 ともかく、今回の内容はそういったゆかりの内情を整理させた回だったのだと思います。
 ものすごくあきらが男らしくて、性の部分で倒錯的な部分はあったかもしれませんが、問題はそこではなく。ゆかりの迷いの捌け口に、あきらがなったというところでしょう。

 あと、あおいはやはりお嬢様なのだなと思う部分がありましたね。リフトアップは互いの信頼関係が無ければできないと、さらりと発言するのです。そういう教育をされたことがあるが故の発言だなと。あおいはいちかとひまりと比べると、少しだけ、ここら辺の価値観が高校生よりなのだろうと思います。だから、ゆかりのからかいの対象にもなるのでしょう。ゆかりはいちかは性格上問題無いとして、ひまりはからかいませんからね。相手を選んでいるというか。

 で、シエル。自分の経験からあきらへアドバイスするのは、良い描写でした。過去の描写をしっかりと汲んでいくのは、良いことです。特に新しく入ったプリキュアとあれば、その出来事は記憶にも残りやすいですし。

 あれですね。些事ですけど、誰かの誕生日が放送日の時はスイーツ講座がお休みなのですね。
 何か重大なアイテムが手に入ったときや、プリキュアのメンバーが誕生日の時、といったところでしょうか。

 エリシオは「空っぽの道化師」と名乗っていたわけですが、ここら辺ってビブリーもそうですけど、何かしら過去があるのでしょうね。ノワールに誑かされる理由があることが、一人一人ぼんやりとではあるが示されているのが興味深いです。今後描かれることはあるのでしょうか。

 次回はもう定番となりつつある水着回ですね。そんなことより漂流とかいう言葉が気になるわけですが、これ、どうなってしまうのでしょうか。



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過去感想は下記より
アニメ感想:2017年春期まとめ