※ネタバレあり。
筆者の方針は元々、「こう考えれば、楽しめるんじゃない?」という脳内補完をするのが原則です。今作でもそれをできる限り徹底していくつもりでいます。
できない作品ももちろんありますが、極力。
関係性のおさらいという印象。ひまりとあおいは大きく絡んだことがなかったため、そこに着目したのだろうなと。
++あらすじ++
あおいが出席するパーティに、有名企業シックロッシュが新作を発表するという。ひまりは目を輝かせ、それに参加することに。
そのために、テーブルマナーを覚えることに。あおいはさらりとこなす中、ひまりは最初はわからない。作り方は学んでも、食べ方までは調べていなかったのだ。あおいは美味しく食べるのが一番だという。
水嶌は二人が正反対なのに、仲が良いことを疑問だという。その発言に、ひまりは引っかかった物を覚える。
当日二人は楽しむ。その中でひまりはあおいと初めて作ったスイーツを思い返す。ノートを取り出し、シュー生地を膨らませるコツを話す。生地は良く練るとちゃんと膨らむ、そして、冷めないうちに卵を手早く混ぜること。
ひまりはシックロッシュの作ったケーキに使われている甘味が気になる。あおいは訊きに行こうとひまりを誘う。
しかし、あおいは挨拶をせねばならずその場を離れる。その中で、ひまりの元に二人の男が挨拶に。ひまりが裕福な家柄でないとわかると、その男たちは悪態を吐く。
それでひまりは落ち込んでしまい、人気の無いところへ。そこでクリスタルアニマルを呼び出して、どうして自分はあおいと仲が良いのか疑問に思う。
そこにあおいが現れる。ひまりはノートを落としてしまっていたことに気付く。あおいはひまりを連れ出してノートを探そうとする。
見つけ出したところ、ちょうど発表会が開始される。
そこで、ディアブルの悪影響が。そのせいでひまりはバランスを崩し、シュークリームの山が発表されている会場を台無しにしてしまう。
そこで、あおいが壇上に上がり謝る。すると、ディアブルの影響からシックロッシュの社長たちを含めた、会場中があおいを責める。あおいという人物までも否定をし始める。スイーツ作りをしていることを批判までされる。
それに耐えられずひまりも壇上に上がる。そして、あおいが自分のしたいことをするため、バンド活動やスイーツ作りを一所懸命に頑張るために、家のことも頑張っていることを言う。
そこにとうとうディアブルが姿を現し、人々のキラキラルを吸い取り始める。その姿は力を蓄えたことで、以前とは異なっていた。その証拠に、自分を手下にしようとするグレイブを小物扱いしたりもしたほどである。
ひまりとあおい以外のプリキュアメンバーが人々を避難させる中、ひまりとあおいは変身。しかし二人では歯が立たず、ひまりはディアブルに足蹴にされる。あおいが助けようと攻撃しても通用しない。
そして、ディアブルは言う。威勢は買うが、そこまで必死になる相手かと。
あおいは「友達であることに、大好きだから以外の理由はない」と断言する。大人しそうに見えるけれど、好きなことに頑固なこと、スイーツのことをたくさん調べていて、たまにずれたりすることあるけれど、それくらい一所懸命なひまりのことが好きなのだと。
駆けつけてきたプリキュアたちの攻撃により、ひまりは解放される。そして解放されたひまりを、あおいが受け止める。
そしてディアブルをホイップやショコラにより拘束しようとするが上手く行かない。そこでカスタードがシュークリームを閃く。それはひまりが、あおいと初めて作ったスイーツ。シュークリームの作り方と同じで、生地を膨らませるために生地を良く練って、そして冷めないうちに手早く掻き混ぜる。
それにより、ディアブルの隙を生み出すことに成功する。
そして必殺技を放ち、撃退。
シックロッシュの社長はひまりとあおいに謝る。
それを遠巻きに見ていたゆかりたちは「もしかしたらディアブルの仕業では」と推測する。
あきらは普段を抑え込んでいる闇の感情が増幅されてしまうのではと、推測する。
謝る社長に、あおいは厳しいことを言ってくれたことにお礼を言う。そして、その方が自分のロック魂が燃えるのだとウインク。
ひまりも「お騒がせしました」と謝った後、スイーツの甘味のコツを聞き出そうとする。あおいはその様子を笑って見守る。シックロッシュの社長もまた「スイーツに情熱的なお嬢さんだね」とウインク。ひまりは赤面する。
水嶌はひまりとあおいが全く違うが、似た点が一つあると言う。いちかは「好きなことに一所懸命なところですよね」と言葉を継ぐ。そして、二人はシュークリームみたいだと言う。心の中に、自分の好きな物が一杯詰まっているのだと。
水嶌がこれからもあおいをよろしくと頭を下げるのに、あおいは大げさだと言う。そして二人は微笑み合う、ひまりは満面の笑顔、あおいは水嶌の行動に困った表情を浮かべたのも含めた笑みで。
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あらすじはこんな感じ。ここで手こずると地獄を見ることがわかっているので、なるたけさらっと書きたいところだと、いつも思っていたりします。
とりあえずグレイブはディアブルの実力を見誤ったり、ディアブルに小物扱いされたり、散々だと思いました。完全にキャラクターとして死んでいる気がします。
最初の、実力者然としていた態度はどこへやら、自惚れの強い人物として描かれてしまっている気がします。エリシオが精神攻撃をする役割を担っていたがために登場回数が増えたことで、相対的にグレイブの描写が少なくなってしまったのだなと。
もしかすると最初からグレイブは、そのような手下を持つのにこだわる、小物として描かれる予定だったのかも知れません。
彼は都合の良い部下を数人生み出すことができます。それはビブリーが孤独を埋めるために人形を生みだしたのと同様に、彼にとって足らない物が「取り巻き」だったからなのでしょう。自分よりも下の存在を欲しがる小物、それがグレイブのキャラクターなのかも知れません。
ひまりに近付いてきた男二人は、ディアブルの影響を受けていたのか、それとも素で相手によって態度を変える人物なのか。ここら辺、判断の難しいところですよね。
この場面、ひまりがあおいと違い「普通の中学生」であると描写できれば良いので、大人たちの悪態をわざわざひまりへ聞かせる必要は無いように思うわけです。もっと柔らかい表現でも良かったと思います。少し残念そうにして「いや、いいんだ、ごめんね」くらい言わせてその場を離れさせるだけでも充分だったでしょう。それだけでひまりは、身分不相応だと落ち込んだと思われます。
何せ彼女は、2話でいちかに知識を披露された際に、いちかから困った表情を浮かべられただけで、自分の行動を省みてしまうような人物なのですから。
わかりやすくするために、大人二人を悪者にしたのだと思われます。だからそれは仕方ないようにも思います。ただ、ディアブルの影響で悪い感情が増幅されることを描いていることを考えると、素で悪態を吐く人物が出てくると逆にわかりづらくなってしまうかなと感じました。
深読みするのなら、この時点で既にディアブルの影響が男性二人に生じていたと解釈することもできるのかなと。恐らく精神衛生上良いのは、この考え方な気がしますね。
今回の内容、スイーツの食べ方のマナーと言った部分がしっかりと描かれていたり、ひまりとあおいはお互いを尊重し合っている友達なのだと言うことが示されていたりと、見ていて安心できる物だったなと思います。
ひまりが赤面したり落ち込んだり涙を流したりする、表情も豊かでした。あおいもまた、ひまりを大切な友達だと諭すときの笑みだったり、水嶌の発言で困ったような笑みを浮かべたり、様々な笑顔が表現されていて、心情を汲み取りやすくなっていたのも見事でした。
初めて作ったスイーツ、シュークリームのことも振り返ったりと、ずっと見てきた人たちも嬉しい描写があったのも良かったと思います。スイーツを作りながら、彼女たちが絆を深めあってきたのだと言うことがわかる内容でした。
本当にスッと、受け止めることのできた回だったなと思います。正直今作では最近、話のペースが速すぎて、感情が追いつかない、説明が充分でないと個人的に感じることが多かったです。
なので、今回の内容は、ひまりとあおいはちゃんと友達なのだとじっくりと描いてくれていて、変な話安心している部分もあったのでした。
そして、やっぱり尺不足が原因だよなと、しみじみ思ってもしまうのでした。
ひとまず、楽しく視聴できた。ひまりとあおいの絆が深まって良かったと、短くまとめるとそういう形になります。
34話に続いて、吉成郁子という人が初めて今作の脚本を書かれていました。たまごっちの脚本を書かれていたようです。そして、映画の宣伝によりデコレーションも無し。既存の脚本メンバーを休ませる意味もあり、プリキュアに今後関わる人を増やすための後継者作りもあり、というそんな感じなのだろうなと思います。
ただ、個人的には脚本家の違いで面白いかどうかの判断をするのは「無し」だと考えているので、取り上げはしますけど、評価の基準にはしない方がいいなと、そんな考え方をしたいなと。
あとは、いちかが話の中心にあり続けたから、ここでいちかを休ませて、いちか以外のメンバーにも焦点を当てようという意味もあるのでしょう(ゆかりがメインの回は例外ですが)。
次回はいちかとあきらの交流回のようです。いちご坂大運動会が開かれて、そこであきらにトラブルが発生する模様。確かに二人が大きく関わったのって、いちかがあきらを男性だと勘違いした、あきら初登場時くらいだったように思います。ただ、あきらは完全にゆかりの心のカバーに回っている場面が多かった分、他のメンバーとも交流が多いとは言いがたいのですよね。
だから、特に重要ないちかという主人公が選ばれたのかなと思いました。あるいは変な話、余り者同士でメインを張る回が用意されたか。……ともかく、次回を楽しみにしましょう。
キラキラ☆プリキュアアラモード! Blu-ray Vol.1
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過去感想は下記より
アニメ感想:2017年夏期まとめ