※ネタバレあり。
筆者の方針は元々、「こう考えれば、楽しめるんじゃない?」という脳内補完をするのが原則です。今作でもそれをできる限り徹底していくつもりでいます。
できない作品ももちろんありますが、極力。最近、今作に置いてはできなくなってきています。作品のまとめに入っているため、と言うこともあるかと思います。
まとめるに向けて、全部詰め込んだという印象。
なんとなく、どうしていちかが主人公なのかが納得いった気がしました。今回の内容とはあまり関係ないけど。
++あらすじ++
キラキラルの色を失った一同。変身アイテムも捨ててしまう。
ペコリンと長老だけは、キラパティにホイップが隠してくれたため無事だった。
町の人々も同じように無気力。服装まで同じ色。
争いごとが起こってもグレイブが現れて、それは好きの裏返しだと、黒く染まったキラキラルの色を奪ってしまう。
ペコリンはドーナツを作っていちかたちを元に戻そうとするが、ドーナツと共に連行されてしまう。
ドーナツを焼却炉に捨てようとしたとき、ドーナツからキラキラルが爆発して一話の時のようなクリーム状になる。それを見たいちかたちは、気になっていちご山へ向かう。
いちご山はかつての物とは姿を変えて、キラキラルを含むものの処分場と化していたため。
ペコリンもいちかたちが来てくれたことに気付く。だが、グレイブに追い詰められ、傷付けられてしまう。
その時、ペコリンは今までドーナツを作ってきたことを思い返す。そこにはたくさんの思いが込められていることを。そして、守ろうとしていたドーナツの光に包まれて、ペコリンはキュアペコリンへと変身する。
だが、そのロッドから出せるのはクリームだけで非力な物だった。
けれどそれがいちかとペコリンを隔てる窓硝子を砕けさせる。そしてそれは花火になり、かつてスイーツを作ってきた経験が蘇ってくる。
捨ててしまった変身アイテムとクリスタルアニマルも手元に戻り、いちかたちはキラキラルの色を取り戻し変身するのだった。
グレイブたちをキラキラルで作った網で拘束する。そして、外に出てエリシオと対峙する。
ホイップは言う。エリシオへ、大好きが詰まったキラキラルをぶつけると。
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あらすじは簡単にこんな感じ。細部間違っていたら申し訳ありません。
最初に書きましたが、本当に色々な要素全部詰め込んだ作品になったなと。
人間と妖精を自由に変身出来る、シエルのプリキュア化。マスコット的存在のプリキュア化。敵キャラクターの改心。
まあ、ここら辺に関してはもう、完全に詰め込みすぎだったと思います。何個か削っても何ら問題無かったように思う。
ただ、いちかのことを考えると、あながち不要だったとも書けないのかなと言う。
彼女に課せられたテーマは恐らく「等身大の中学生が世界を救う」ということです。もっと書くなら、「具体的な夢とか目標を持っていなくても、大好きな物に一直線に取り組む人は、周りを変える力を持っている」ということです。そしてそれは、世界を救うほどの力にもなるのだ、ということです。
この作品は謂わば、いちかという大好きな物に一直線な人物が、有りと有らゆる人々を変えていく物語だったのだなと。それが46話のいちかの母親の、大好きなことに一所懸命であることの肯定だったのだなと思います。
そのため、スイーツに本来関わらないような人物でも、いちかをきっかけに関わっていく必要があったのだろうなと。だから散々不要だと書いていた、あおいとかも、必要なキャラクターだったのだと思います。
ただまあ、あまり乗り切れなかったなと言うのが個人的な印象ではあります。やっぱり、個々のエピソードが薄味だったからなのでしょう。それに尽きます。
いちかはああくまで悩んだとき、スイーツで後押しをするに留められていて、作品としてはあまり表立つことも少なかったように思います。そうしなければ個々のエピソードを描けなかったでしょうから、そうすざるを得なかったとも思うので、なかなか難しいのだなと。
その中でペコリンは純粋にいちかに励まされたキャラクターと言えます。他のキャラクターと違い個々人の夢も持たないから、いちかに影響を受けたことを描きやすい。
だから今回、みんなを救うという大仕事を任されたのかなと思いました。
ただ、やっぱりこれもペコリンの出番の少なさが、感動を薄めてしまっているなと個人的には感じてしまうわけで。惜しいなと、そんなことを考えるのでした。
あとはもうOPとかBパート開始時の映像とか、そこでのキャラクターの扱いの悪さも一因ですよね。ジュリオの映像は最後まで使い回され、シエルは仲間入りしているにも拘わらずBパート開始の映像に追加してもらえない。
そういう細かいところのぞんざいな扱いが、悪い印象を与える原因になっているなと。
ただ、このペコリンの変身を観ると、むしろシエルが人間の姿になれたことが不自然に感じますね。他人のためにスイーツを作ることができる、そんな思いやりの心が人間に変身する条件なら、シエルにその資格が備わったのはピカリオの感情に気付いてからであるべきと言う気がするというか。
まあ、あくまで精神的な成長で、他人への思いやりのことだけでは無いと言うだけの話なのでしょうが。
みんなが灰色の服を着ることを指摘していましたが、これは灰色に対する風評被害なのではないかという気がしました。灰色が好きで着ている人もいるんですぜ、という。まあ、冗談ですが。
ペコリンたちはエリシオが部下を道具のように使うことに戦慄していましたが、グレイブはディアブルへもっと酷い事をしたので、何も文句は言えないでしょう。力を取り込んで、自我さえ持たせていなかったわけですから。
むしろそんな扱いをしたから、逆に操られる立場になったと考えるべきでしょう。
次回はとうとうエリシオとの戦いです。空っぽである彼も助ける対象であると、今回示しているので、そういった結末になるのでしょう。はてさて。
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過去感想は下記より
アニメ感想:2018年冬期まとめ