※ネタバレあり。
 楽しんで視聴するのが方針ですが、もしもできなかったらごめんなさいと言った形。できなかったときは事前に書きます。無論、楽しめない理由は作品にではなく、自分に責任があります。一笑に付してください。
 過去作のことは比較的な意味で触れています。ネタバレを含むので未視聴の方はご注意いただけると幸いです。
 記憶違いをしていることもあるので、その時はご指摘ください。訂正させていただきます。


 やっぱり仮装大会でカッパードはもっと地球人と関わるべきだったと思う。今回の内容自体は面白かったけれど、今までのことを思うと、といった感じの回でした。

++あらすじ++
 ひかるはトゥインクルイマジネーションのことを考え、浮かない様子。宇宙船に呼ばれていたことを思い出し向かう。そこではユニがララの宇宙船で暮らすことに。また、えれなが留学のことを調べていること、まどかが留学するか迷っていたことを知るのだった。

 カッパードはダークネストのスーツの計画が始まっているのを見て、最後のチャンスをとひかるたちの所に乗り込む。

 ララとひかるは雨の中歩いていると、クラスメートに会う。もう隠す必要も無いので、ララとフワものびのびと会話する。
 宇宙船には先にララが着き、ひかるはララと別れて天文台へと行った。

 ひかるは自分が星座を好きになった星座教室の手伝いをしながら、りょうじいに悩みを相談。
 自分はデネブであると、そして母親が織り姫、父親が彦星であると。自分は今まで、自分のことだけ考えていた。しかし今はララたちが気になる、そして、自分だけ取り残されている気がするのだと。
 りょうじいはひかるが自分だけが良ければ良い子だったということを肯定しつつ、友達ができたからだと伝える。そして自分の過去のことを思い、友達が居れば、そのように感じることもあると伝えるのだった。
 そしてデネブの話をする。デネブは夏と冬で周りで輝く星が違う、およそ8000年後には北極の近くで輝く北極星になる。周りが変わっても、デネブは変わらず輝き続けるのだろうと。

 ひかるはララたちの所に行くことにする。しかし表情は浮かないまま。そこにカッパードが現れ、レーダーを握りつぶし、自らの歪みで二股の槍を生み出す。ひかるも変身。
 制御が難しそうだと、カッパードはノットレイたちを引き下がらせる。
 戦闘は雨や池の近くであることからもカッパードが圧倒。ひかるのシールドやスターパンチなど物ともしない。彼は地球の水で、自分の星をことを思い出すという。旅人に分け与えるほど豊富だった水、それが旅人の欲を増幅させ、枯れるまで奪われたのだ。
 その憤りなどひかるには理解できないと。フワがワープをしても通用せず、カッパードストライクの餌食にされる。そして変身が解けてしまう。
 ダークネストの企みを思い、カッパードはそんな小細工など要らないと笑う。

 イマジネーションはすぐに歪む。なのにひかるは大好き、きらやばなどという、それも終わりだと言ったとき、他のプリキュアたちが駆けつける。ララ以外はノットレイの相手をする。
 ララのシールドも通用しない。ひかるは自分のせいだと自責する。トゥインクルイマジネーションを見つけられないからと。
 カッパードも異星人同士が仲良くなれると綺麗事を言っているやつが見つけられるはずがないと責める。そこにララが反論。
 綺麗事ではないと、ちゃんと仲良くなれたと。「ひかるやえれな、まどかたち」、そして「2年3組のクラスメート」と仲良くなれ、受け入れてくれたことをカッパードも見ただろうと問い掛ける。
 ララは、ひかるはひかるだと微笑みかける。
 そこでりょうじいの「デネブは変わらず輝き続ける」という言葉を思い出す。
 ひかるは宇宙のことみんなのことを、そしてカッパードのことを知りたいと告げるのだった。

 カッパードは温い環境に育ったお前に何がわかると激昂。ひかるもそれを同意し、だからこそカッパードの輝きが知りたいのだと涙を零す。そして光が身体を纏う。
 みんなそれぞれ星みたいに輝いている、その輝きが教えてくれる。輝きはそれぞれ違う。そして「私は私、輝いていたいんだ」と叫び、トゥインクルイマジネーションが目覚める。再度、プリキュアに変身。

 カッパードの拳を片手で受け止める。カッパードのことが少しわかったから、怖くないと言う。
 何がわかると怒るカッパード。三つ叉の槍に変形させながら攻撃するも、攻撃をかわしながらひかるは言う。他の星の人を信じられないかも知れない、私のことみんなのことを知って欲しいと。怖がらないで。
 カッパードは極大のカッパードストライクを放つ。それをスターパンチで粉砕。そのまま、必殺技でカッパードを浄化。
 膝を突くカッパードにひかるは手を差し伸べる。その手を取ろうとして、カッパードはダークネストの生み出したゲートに飲み込まれる。
 ダークネストにより、憤りと滾りを増幅させられてしまう。

 トゥインクルイマジネーションが揃ったことに喜ぶ周り、ひかるは微笑みながらも、カッパードを思ってか星空を見つめるのだった。
++++++++

 雑あらすじ。さらっと。細部間違っていたらごめんなさい。

 ララがクラスメートに宇宙人であることを隠す必要が無くなり、オープンに接するようになっていました。そのことに対し、ララも楽しいと笑顔になっていました。
 ……まどかの父親が役目を外されていたとしても、他の調査員はいるのではないか。だから例えオープンにして良くなったとしても、こっそりしていた方が安全なのではないか。そういう風に思いました。

 やっぱりカッパードは、仮装大会の時に授与式にいるべきだったと思います。彼の現状って、このままだとかなり可哀想だなと。
 「あなたはわかり合えないって言っているし、わかり合えなかった経験もしているのだろう。だけど私とララ、そしてクラスメートはわかり合えた。だから怖がっていないで受け入れて」。ひかるたちが言っていることって、要はそういうことだと思うわけで。
 水を提供したら奪われたと言っている人に対して、怖がっていないで受け入れようというのは、さすがに無茶な気もします。今回は大丈夫だからというのも、無理があるというか。
 それぞれの星の輝きがあるのであれば、絶対にわかり合うことなどできないと判断する人もまた、その輝きの一つなのではないかとも思います。その上での分かり合いたいという発言なのだとしても。
 説得するには更に踏み込んで、「私たちはそんなことは絶対にしない」と言ってあげないといけない気がしました。そして、カッパードが「この星の人々は違うのではないか」と考えるだけの要素を経験していないと、成立しないとも思う訳で(後述しますが、ララとクラスメートの件を、筆者は要素として弱いと思っています)。だからこそ、仮装大会の回はその絶好のチャンスだったはずで、そこを逃してしまった上での説得は、どうしても独りよがりになってしまうと思います。
 過去には確かに、ひかるは「知り合ってわかり合いたい」という発言をカッパードにしています。35話の選挙の回ですね。その時に、生徒会長選挙で争う相手として、桜子がいたのでした。その戦う相手である彼女に対して、そういう発言をしたのでした。そしてそれは、カッパードの逆鱗に触れたのでした。
 今回の内容は、それを受けたものでもあることはわかります。ひかるは、同じ星の人だけで無く、違う星の人に対してもわかり合いたいと、宣言したことになるわけですから。
 だから今回、カッパードがなびく描写に繋がったのでしょう。ただ個人的には宣言しただけのようにも思うわけです。だから、もう一押し欲しい気はするという形での、仮装大会だなと。

 後述すると書いていた点ですが、ララとクラスメートがわかり合えたのも、カッパードに襲われた際に、彼女が助けてくれたことがきっかけになっているのも良くないかなと。和解としての要素を弱めていると思います。
 カッパード側から見たら、カッパードみたいな奴らに襲われないように、仲良くして守ってもらっているようにも見えかねないわけですから。
 というか、カッパードが襲ったという部分があるから尚のこと、彼と地球人との和解は難しくなってしまっているよなと。今のままだと、ひかるたちとカッパードという、ごくごく小規模な形とするしかないように思います。どうするのだろう、と思います。
 カッパードもさすがに、そういう部分は自覚があるのではないかと思いましたが、ひかるの手を取ろうとしていたのでまだ自覚はないのでしょう。「今頃手を差し伸べられても遅い、自分の手は既に悪に染まっている」みたいな感覚は、そのうち抱かれるべきなのかなと。ダークネストに従っていたという状況はあれど、洗脳されていたわけでも無いので(アイワーンが自発的に抜けることができたのですから、洗脳はしていないでしょう)、さすがに都合の良い話になってしまうので。
 ともかく彼は、ひかるの手を取ろうとして、ダークネストに歪みを増幅させられていました。今後どのような形で登場するのか、と言ったところでしょう。ダークネストによる歪みの増幅は、ある種の洗脳要素になるかと思います。今まで取ってこなかった手段、と言う形ですね。この歪みの増幅を洗脳扱いして、「洗脳されていたのだから仕方ない」と、今までの行いも有耶無耶にしてしまうということがあったら、あまり良くない展開かなと個人的には思います。
 あとあまり関係ないところですが、ララの発言にユニが省略されていたのは可哀想だと思いました。ユニは「まどかたち」にまとめられていました。「ひかる、えれな、まどか、ユニたち」でいいじゃないですか。たった2文字。

 えれなが留学は大変だと言っていました。ちょっと調べたところ、短期なら最低でも2ヶ月、長期ならば1年は準備に必要だとのことです。なるほど大変だなと、思います。
=====
参考: 留学するなら時期はいつがベスト?必見の留学おすすめ時期まとめ
 https://schoolwith.me/columns/32721
=====
 むしろまどかが「まだ迷っている」の一言で済ませているのが、問題なように思えてきました。まどかの父親、1年以上前から手続きとか進めていたのだろうなと。
 えれながその枠をもらえば丸く収まる気がしましたが、それはそれで、まどかだから受け入れ許可をしてくれている人たちを裏切ることになるのでしょう。
 ひかるは自分だけが進歩していないことを不安がっていましたが、数週にわたり迷っているまどかがいるので、個人的には、二人は同列くらいではないかという気がします。

 ユニは宇宙船に住むことになったようです。……今までどこに住んでいたのか、逆に気になってきました。……木?
 とりあえず終盤に描く内容では無いなーと。仲間入りして1、2話程度でやるべき部分なような。ここで描くくらいならもう、無視してしまっても良かったと思います。

 ひかるが、今回のりょうじいとの会話とララの言葉を、トゥインクルイマジネーションに目覚めるきっかけとしていました。
 ひかるは今まで自分だけが良ければ良いと思っていた。しかし今は友達のことが気になる、自分が他のみんなから、置いてけ堀になっていると感じていた。けれど、りょうじいのアドバイスにより、自分は自分であり、それぞれ輝くことができるのだと気付いたのです。
 前回の浮かない表情は、離れ離れになると言うことへの不安のように描かれていたので、少し今回の内容とずれている気もしました。ただ、本来のひかるの感覚は今回の内容だとは思います。今回も出てきた、七夕の日にだけ会える父親との態度を考えれば、こちらが自然でしょう。
 ただここら辺、寂しいのと置き去りになっていると感じているのとで、恐らく両方の意味を込めてはいるのだと思います。それは今回の星の話からもわかります。

 筆者でも少し調べてみました。デネブ、アルタイル、ベガは夏の大三角形で、アルタイル、ベガは織り姫と彦星としてセットで扱われる星です。デネブは言うなれば、星空で見ても少し離れた場所にいる星です。実際の距離も大分離れていて、地球との距離がそれぞれアルタイルが16.5光年、ベガが25光年、デネブは約1400光年離れているのだとか。
 デネブは将来、約8000年も経過すれば(西暦10200年頃だそうです)、北極星になって輝くことができるわけです(ベガも12000年後には北極星になるらしいですが)。
=====
参考: 夏の大三角は七夕と天の川にまつわる3つ星、1万年先には北極星になる星の話
 http://www.thankyoulife.jp/948.html
=====
 そのように、時の流れで環境も変わるデネブ、作中では示されていませんが距離的にも離れているデネブのような星であっても、輝くことができるのだということを示していたのだろうと思います。

 ひかるの心情も、恐らく今後変化するのではないかと思います。彼女にとって自分は自分、相手は相手であり、夢のためならば父親と離れることも止むを得ないと考える人物です。別れは寂しいものではない、そう思っている部分がある。
 ただ彼女は、ララたちと接することで自分の世界が広がりました。だからこそ、別れの時に寂しいという感情を抱くのかもしれません。果たして、と言ったところでしょうか。

 もう少し夏の大三角形とりょうじいについて書きます。
 デネブ、アルタイル、ベガ。夏の大三角形というわけで、アルタイル、ベガは織り姫と彦星にも例えられる星。りょうじいはそこに関しては、デネブのような存在だったわけです。そしてアルタイルとベガはひかるの祖父母であったという。
 ただ、ひかるは自分をりょうじいと同じデネブと重ねたわけです。なかなか面白い構図だよなと思います。
 恐らく、かつてりょうじいは自分がデネブであると、疎外感を覚えたことがあるに違いないわけです。その悩みを克服する上で、デネブのように、離れていても輝くことができると結論づけたのでしょう。そして、同じような悩みを抱えたのが、その疎外感を覚えるきっかけになった友人二人の孫ひかるだったわけです。
 面白いなと思います。しかも、節目節目の悩みに的確なアドバイスができるのも、一番ひかるに影響を与えたのもりょうじいなのですよ。
 ここに、りょうじいがずっと天文学を志してきた事への意味が、生まれたように感じました。

 りょうじいとひかるの祖父母が幼馴染みという設定が明かされていました。確か、振りなどもなかったかと思うので、初出なのですよね。りょうじいは祖父母と幼馴染みなんだよねという問いかけをひかるがして、そうだよと優しく微笑む場面が、過去の回にあっても面白かったと思いました。
 何せりょうじい、ひかるの祖母に想いを寄せていましたよね、という。そこら辺の色々な物を含めての、優しい笑みが、あっても良かった気がしました。せっかく描いたのですから。
 それにその程度の描写なら、今回のような回想がなくても問題無かったでしょうし。
 あと個人的には、覚醒の要素を一話の中で提示して回収するのは、話の展開的に早くて気持ちが追いつけないというのもあります。特に今回のような、星の話まで含めて描かれていると余計に。ララの裏切られると言う伏線は回収しているので、過去にちりばめても良かったように思いました。

 ただ、それはともかくとして、やるせない気持ちにもなりました。
 ひかるの祖父って、ひかるの父親が夢を追いかける決意をしたことがきっかけで、仲違いしていたのですよね。家庭を顧みない行為だと言うことで。
 でも彼には、りょうじいという幼馴染みがいて、彼は夢を叶えて天文台に勤めているわけです。そして、りょうじいはどうやら未婚であることが描写からもわかります。そうじゃなかったら、彼の奥さんが可哀想になる回想でしたし。
 りょうじいのような友人がいるひかるの祖父が、ひかるの父親が夢を追いかける決意をすることを、家庭のためとして反対しているということになります。……これをたまたま偶然そうなりましたと言うことはさすがにない、かなと(主人公周りの設定を忘れているって事になりますし)。思い付きであったとしても前々から決まっていた要素であったとしても、今回意識的にそうなる形にしたのではないかと、筆者は思います。

 それはともかくとしてひかるの祖父にとって、りょうじいはどのような存在として映っているのだろうと思いました。夢を叶えるためには家庭を諦めなくてはいけない、その象徴としての存在なのかもしれません。むしろそんな彼がいたからこそ、ひかるの父親に対して強く反対していたのかもしれません。
 考えてみると面白いとは思うのですが、そういう構図が示されるとそれはそれで、どうにも晴れない気分になるなと思ったのでした。りょうじいが可哀想だなと言う意味で。
 幼馴染みの孫にアドバイスをしてあげるという構図は面白いのですが、何となく、立場はある程度同じ(せめて、結婚はしているなど)でないと違和感になるのだなと思いました。ただ、結婚していないことも多様性と言うことなのかも知れませんけども。あと、相談してもらえない祖父母並びに母親が少しだけ可哀想。

 少し考察するなら、りょうじいとひかるの祖父は旧時代の人、と言う扱いなのかなと。夢のために家庭を犠牲にする、家庭のために夢を犠牲にする、という。しかし、ひかるの両親は違いますよと言いたいのかも知れません。大人でありながら、自分の夢を諦めずに突き進んでいるからです。例え親になったとしても夢は諦めなくて良い、ということを示すための星奈家なのかもしれません。

 次回はとうとうダークネスト襲来による最終決戦の開始。果たして。



スター☆トゥインクルプリキュア vol.1[Blu-ray]

 ※上記以外の物でも良いので、リンク先より何か買っていただけると励みになります。



過去感想は下記より
アニメ感想:プリキュア感想まとめ